読書の秋におすすめの本、秋の夜長におすすめの図書『生物と無生物のあいだ』
本書の特徴は、まず「文章が上手い」科学者が書いていることにある。
だからと言って、叙情的に走らず、押さえるべきところは押さえている。
普段、小説などの文芸書しか読まない人にとって、「生命とは何か?」というスリリングなテーマを通して、生命科学の歴史と科学者の役割を飽きることなく最後まで読ませてくれる。
実際のところ「生物と無生物のあいだ」とは何か?という問いは最終的には読者に投げかかれることになるが、それは「人生とは何か?」という問いと同レベルでしか扱えない現代の科学の限界とも言える。
それでも、秋の夜長に、「生物」と「無生物」のあいだ、という哲学的でもあり、人類の根源的テーマでもある、この問題について思考を巡らせてみるのも一興である。
逆に、普段から、マイクロピペットなんぞを扱いなれている人には物足りない内容ではある。(でも、まぁ、しゃーないよな。未来永劫「生命とは」なんて、定義づけられないと僕は思うのだ。)
●生物と無生物のあいだ

●生物と無生物のあいだ (講談社現代新書 1891)
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ラベル:秋におすすめの本