数学がどうやってあの魔術を解けるというのか!?
……切り口の面白さはもとより、マンガや写真、本の図版などあらゆるユーザーフレンドリーな手段を用いて、数学の面白いところだけをいいとこ取りして紹介する。
偉大な数学者の岡潔は「なぜ数学をするのか」との問いに「スミレはただ咲いているだけで良い。そのようなものだ」と答えた。
つまり数学は面白く、役に立つ立たないとは関係なしに、ある種の人々を惹きつけてしまうものなのだ。
具体的にどう面白いか、この本を読めば分かる。
例えば111、555、777、と同じ数字を3つ連ねた数は全て37で割り切れる。
哲学者のホッブズは初めてピタゴラスの定理に接したとき、「神に誓ってこんな事はありえない!」と叫んだ。
そういった素朴な所から歩を発して、微分積分、カオス、確立論に何故か顔を出す円周率Π、と数学の最も美味しい所が難しい理論を省き、それでいて面白さははっきりと分かるように紹介される。
そして読者は、吊るされてもいないのに直立するロープ、オイラーの恐るべき公式というとんでもない所にまで導かれてしまう。
どんなに相性が悪い人であっても、斜め読みでもこの本に目を通しさえすれば、数学が面白いものであるということを納得してしまうであろう。
モンティパイソンを生んだイギリスの先生だからか、単なるこの人の個性なのかはわからないが、とにかく面白い!
数学書を読んで感心したり感動したりすることはあっても、「ぷふっ」と笑ってしまったのは初めてだった。
10pの挿絵に「代数学の授業を”面白く”するためなら、ビンデン先生はあらゆる努力を惜しみませんでした。」笑える・・・(日本にもこういう人がいたなあ。マンガだけれど)
脚注も笑える!
ところで「数学はインドのロープ魔術を解く」ことについては本書を参照のこと。気になるでしょ?
気になったらこの本をさっそく注文だ!
●数学はインドのロープ魔術を解く

●数学はインドのロープ魔術を解く 数理を愉しむ ハヤカワ文庫 NF
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